過去の取材

『シネマジャーナル』2017年10月

『カーキ色の記憶 A Memory in Khaki』カタール/2016/108分
監督:アルフォーズ・タンジュール Alfoz Tanjour
『シネマジャーナル』2017年10月

 

仕事柄、シリア関係の映画はこれまで何本も観てきて、その都度悩んだり、悶々とした思いを抱えることが多く、あまり好んで観たくなくなり、そのうちシリア作品からは遠ざかるようになってしまった…。なので、この『カーキ色の記憶』も積極的に観たいとは思わなかったのだが、スケジュール的にこの作品しか鑑賞できるものが他になく会場に足を運んだ。

しかしこの映画は、今までのようなシリア映画の残虐なシーンは少なく、タイトルが表す通り色鮮やかなカットや意味ありげなカラーがスクリーンを飾る、静かで美しいドキュメンタリーで、とても感動した。この作品を鑑賞した夜、香味庵でたまたま監督のアルフォーズさんと同じテーブルになり「今まで観たシリア映画の中で貴方の作品が一番素晴らしかった」と直接伝えてみたが私のプアー・イングリッシュで、ちゃんと伝わったかどうか(苦笑)。そして大変失礼なのだが監督のその外見から、うんと年上のかたかと思っていたら私と同じ1970年代産と知りびっくり仰天…よほどの人生を歩んできたのだろう…。こちらの作品は見事、山形市長賞(最優秀賞)を受賞。監督とヤマガタでお酒を酌み交わしたこと忘れません、心よりおめでとうございます。

『シネマジャーナル』2017年10月山形国際ドキュメンタリー映画祭2017